阪神・淡路大震災から31年、現代技術があれば被害はどう変わったか

1995年の阪神・淡路大震災から31年。もし当時、緊急地震速報や長周期地震動に関する情報といった現代の技術が存在していたら、被害はどのように変わっていたのかをシミュレーションに基づき考察します。

更新 1/16 17:19
本考察はシミュレーション結果に基づくものであり、実態と異なる部分がある可能性があります。

緊急地震速報の有効性

1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)当時、緊急地震速報は存在しませんでした。現在の緊急地震速報システムは、震源近くの観測点で初期微動(P波)を検知し、地震波の速度より速い通信で情報を伝達する仕組みです。

シミュレーションによると、震源データを用いて主要動(S波)の到達時間を計算した結果、神戸市中央区では7.5秒、大阪市中央区では14.1秒、京都市中京区では23.3秒で強い揺れが到達すると推定されました。これは、2024年の能登半島地震で緊急地震速報が発表されてから4.8秒後であったことと比較すると、神戸周辺では緊急地震速報が間に合わなかったか、間に合ったとしても避難行動を起こす余裕がほとんどなかった可能性が示唆されます。被害軽減への繋がりは難しかったとみられますが、大阪市や京都市では揺れへの備えをする猶予があった可能性も考えられます。

長周期地震動の影響

2020年に運用が開始された長周期地震動に関する情報についてもシミュレーションが行われました。兵庫県南部地震の震源データに基づくと、神戸市中央区脇浜では長周期地震動階級4、中央区山手通では階級2と想定されます。階級4は気象庁が定める最も大きな階級であり、高層建築物は大きく揺さぶられたと推測されます。発生時刻が早朝であったため人的被害は目立ちませんでしたが、日中であれば多くの被害が発生し、影響の拡大が懸念されます。

情報伝達の限界と今後の課題

これらの考察はシミュレーション結果に基づくものであり、実態と異なる可能性があります。現代の地震情報に当てはめることで、将来の地震へのイメージを掴む一助となることが期待されます。

阪神・淡路大震災を契機に木造建築の耐震基準は強化されましたが、熊本地震や能登半島地震でも家屋倒壊は発生しています。また、高層建築物の増加に伴い、長周期地震動の影響を受ける機会も増えています。情報やインフラの強化が進む一方で、新たな脆弱性も生まれています。地震は今後も発生し続けますが、生活環境の変化の中で発生する地震に対する脆弱性を早期に捉えることが、命を守るために重要です。

用語解説

  • 緊急地震速報: 地震波の到達前に警報を発令するシステム。阪神・淡路大震災当時は存在せず、シミュレーションでは神戸周辺では間に合わなかった可能性が高い。
  • 長周期地震動: ゆっくりとした大きな揺れ。高層建築物に影響を与え、阪神・淡路大震災当時は早朝だったため人的被害は少なかったが、日中であれば被害拡大が懸念される。
  • 現代技術の限界: シミュレーションはあくまで仮定であり、実際の被害とは異なる可能性がある。技術進歩と生活環境の変化の中で、新たな脆弱性への対応が求められる。

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